母の愛

右耳の不調に絶望的になっていた。

ヤフーニュースにもなったし、
ああ、やっぱり凄いことが起きてるのか。
私、歌手だもんね。
音の世界の人だものね。
聞こえなくなったら、踏ん切りが付くかな。

と、大したことないと言い聞かせていた私に逃げ道は無くなり、
悲観しながら、珍しく母がベッドメイキングをしてくれた綺麗なベッドで、
耳の不安と不調で、横になっていました。
数十分後。それは起きました。



背中が痛い。


嗚呼、もう本当にダメか…。
内臓までやられてきたか、と背中をさすろうとした。
その時だった。

ゴツゴツしたものが手の甲に触れた。
振り返るとなにも無い。

なに!?

敷き布団には、シーツ、その上に寒さ防止に分厚い毛布、そしてその上にバスタオルが敷いてあった。

分厚い布は、少しのヨレでもゴツゴツするもの。
薄い布でも、枚数が増えれば、シワやヨレは硬く伝わります。
手で押して確かめる。
確かに何か硬いものを確認した。
しかしそれは、シーツや毛布やタオルのシワやヨレなどではなかった。

タオルをめくる。

無い!え!?なになに?

毛布をめくる。

ええっ!?

もうそこには、四方の隅をしっかり敷布団にしまわれたシーツしかなかった。
何もなかった。


敷き布団のサイドからシーツの端を引き出し、
敷き布団の中央に向かって、シーツの中に手を入れた。


あった!!


取り出したら、コレ(写真)だった。



…。



…母よ。
弱る私の為に、知らぬ間にシーツを替えてくれて、ベッドメイキングをしてくれて、本当どうもありがとう。

見かけは最高に美しい仕上がりですね。
だけど、母よ。


骨は取り除きませんか。


骨は、ちゃんと取り除かないと、お口の中も背中も刺さって痛くなります。


オモチャの上からシーツとは…。
普通避けるでし……いや、なんでもありません。


母よ、シーツを替えてくれてありがとう。
今夜も、抜群に母の愛を感じる、寝心地です。