先輩の背中

私には、見えている背中がある。
追いかけたい背中が行く手にある。
足元には、道標の足跡がある。


憧れの先輩方が、「ついてこい!!」と声をかけてくれる。

傷だらけになってどうしようもなく弱り果てた私に、
裸になって、もっと傷だらけの姿を見せては、
もっともっと大きな戦いに挑み、傷だらけになりながらも立ち向かい、進み続ける生き様を見せては、
命尽きるまで歌い続ける声を聴かせては、

無言の背中で、
負けるな、
ついてこい、
と声をかけてくれる。

自分の苦痛は、まだまだ序の口だと教えてくれる。
勇気をくれる。


先輩が足跡を残していく限り、
後輩はそれを辿らなくてはならない。

先輩が見つけてくれた私の中の宝石を、
勝手に捨てるわけにはいかない。


動けなくなってしまっても、
立ち止まってしまっても、
蹲って誰の声も話しも聞きたくなくても、
先輩の足音だけには耳を澄ます自分がいる。
先輩方だけは味方だから。

たとえ先輩の背中が遥か彼方へ小さくなり、見えなくなってしまっても、
私が迷子にならないように、消えない足跡を残してくれている。

地に耳をつけて、先輩の生き様の足音を聴いて、
そこに含まれたメッセージを解読して、進む。




命の淵に立ってても、
消えそうな音の中でも、
足元にも及ばない後輩に勇気をくれる先輩方。

どんなに時間がかかっても、
私は先輩の背中を追いかける。
先輩の足跡がある限り、私は足跡を辿っていく。

そして、辿り着いたら、
先輩が振り返ったらお話し出来るくらい、追いついたら、
その時はまた、褒めてもらう。