滞る

10月には楽曲が仕上がっていたのに、
未だレコーディングに入れていません。

もう集中力なんてとっくに切れ、
曲の鮮度なんて無いに等しい。


にもかかわらず、未だに始まらない。


モチベーションを保つにも、何にも進展のお知らせは聞こえてこない。
生まれたであろうインスピレーションも、もう期待しない。

周りが何を考えてるのかわからない。

他のスケジュールも立てられない。

ストレスで倒れる始末。


自ら立候補してきたあるスタッフは、
ある日突然挨拶もなく仕事放棄し消えた。
こんなことを大の大人になってもやる人がいるのかと、
怒りよりびっくりした。
結果的に良かったと思っている。
柴田淳のレコーディングは、生半可な気持ちでは出来ない。
いつだって、第一線で活躍している一流ミュージシャンが、沢山のスケジュールを縫って集まってくるのだ。
その上、拘りの塊の柴田淳なのだ。
そのマジな現場に怯むようでは、無理なのだ。
アレンジャーさん達は、失笑の渦だった。



ファンクラブでもトラブルが起きているらしい。


新しい仕事の準備も、スケジュールが噛み合わず延期。
しかし新しい仕事自体はそのまま存在している。
今唯一の兆し。恵み。幸せ。ラッキー。


面白そうなお仕事も、オファーが来て以来音沙汰なし。


誰かへのメールの返事も来ない。


嗚呼、
滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る滞る…


もう知らない。
やーめたっ。


自分の仕事を片付けたら、遊びに行こう。
もう待たない。

もう知りませんよーっだ。


こんな時は、逆らわず流れる。
逆らったって流れは止まらず、疲れるだけ。

業界のお父さん(以前お世話になった事務所の社長)からも、心配して連絡が来た。
本当にいつもいつも問題勃発してて、
いつになったら心配してくれる方々が安堵感に包まれてくれるんだろう。

申し訳ないさ。。。

大御所のアレンジャーさん達も巻き込んで、
ストレスを感じさせ、本当に申し訳ないですわ。



今日は、ふらふらのまま、重要な会議6時間。
この打ち合わせの仕事は無事ゴールに手をかけた。
会食もそれは美味しいものだった。
その中でラッキーな出来事もあった。
有能なスタッフに恵まれ、私は幸せだと思った。
有意義な1日だった。


有能なスタッフと両親のサポートを受け、乗り切れた1日でした。
ありがとうございました!
助かりました☆


もう明日には完全にめまいが抜けることでしょう。
お騒がせしました!


さっさと元気になって、さっさと自分の仕事は片付けて、
遊びに行こう。もう春だ。
家の周りの桜巡りをしよう。
待つ必要はない。


このままじゃ、多分リリースは来年とかになるんじゃないかと思うくらい、もう何もかも絶望してる。諦めてる。
12月にも1月にも2月にも、ファンクラブイベントは結局出来たじゃないか。
スケジュールが決まらないからなんの予定も立てられず、ファンも待たせてばかり。

本当にごめんなさい。

もう勝手に計画立てちゃおうかなっっ!
それに合わせて他のスケジュール考えて貰おうかな。
もう待ち過ぎ。
来月にも出来ないかしら??
どうせ来月も終わってみたら何もできなかったになりそうなんだもの。





待つのは大っ嫌いな柴田さん。
常に前進、常に闘い、安心より達成、護りより攻め、、、

安全より危険を選ぶような柴田さんは、
20年前、安定しない仕事を選びました。

お金や安定のために仕事をしていない柴田さん。
常に自己実現を目指しています。

また、柴田さんは、人に頼ったり依存する生き方を嫌います。
他人に自分の人生を支配される生き方は、一切選びませんでした。
誰かに媚びを売るのは、他人に人生を支配されているからです。
その人がいないとやっていけない…と思う環境、状況です。

柴田さんは、人に媚びを売ることが、何よりも嫌いでした。
損をしてでも自分の道を自分で納得して進みたい。
人はそんな柴田さんをアホと言います。

ですが、柴田さんは、そのようにしか生きられない真のアホだったのです。


裕福な生活にも憧れます。
ですが、誰かに求めたりしても、そんな裕福にしてくれるような方を捕まえるスキルも魅力もない柴田さんは、
早々に気付き諦め、
ならば自分で得ればいいと、戦いに出る生き方を選びました。


人に貰った100円と、自分で稼いだ100円の価値が、
柴田さんの中ではとてもとても違うのでした。
100円は100円じゃん!って思える人は賢い生き方が出来る世渡り上手なはずです。


死ぬまでにあと何年かな。あとどれだけ稼げば良いのだろう。
柴田さんは呟きました。
そんな呟き自体に、もう男を感じるとある人は言います。
普通の女性なら、そのような発想にはならない。
誰かに養って貰う考えが先行する。
あなたの思考には、それがない。
一人で生きようとしている、と。


いいや違う!
柴田さんは、いつだって人に頼りたくても頼られる側にされて生きてきました。
家族からも友達からも、いつだって頼られる人でした。

セルフプロデュースである仕事も、全てにおいて自分の意見を求められているのです。

だから、甘える方法を知らないで生きてきてしまったのです。


「誰かに身を任せて生きていける環境ならば、
私だっていつだって女に戻れる。
だけど、なんだかんだ音楽業界も男社会。
男にならなきゃ戦えない。
いつか24時間365日スイッチが入りっぱなしの成りすまし男人生に、
『もういいよ、後は俺に任せろ!』って人が現れたら、
私は一瞬にして女に戻って、
何も心配のない、何も考えない、誰かに身を委ねる女になれるに決まってる。」

そう、柴田さんは言いました。

「どうした?」の一言で、惹かれてしまうのも、
頼られるばかりで誰一人柴田さんの気持ちに気付こうとする人がいなかったからです。

柴田さんはいつだって誰かにSOSを発信しているのかもしれません。
甘えることも出来ずに。



柴田さんは仕事でボロボロになりながらも、
まだ差し伸べられた手をつかもうとしません。
倒れながらも、諦めようとしません。
でも本当にダメになったら、
もういろんなことを諦めて、誰かの船に乗せてもらって、その上で歌おうと思っています。
でも柴田さんの性格上、そんな日は、決して訪れることは無いのでしょう。

それ全て含め、柴田さんなのでしょう。

だが、プライベートはもう誰かに甘えることを学んだ方がいいと誰しもが思っている。

手の届かない棚ばかりの部屋で、
柴田さんに寄り添う相手は、今夜も背の高い彼氏ではなくアルミで出来た脚立なのでした。