泣けてくるぅ

今、私の仕事は、アレンジャーに依頼したオリジナル楽曲が仕上がってくるのを待つ期間です。

待つだけと言ったらそうですが、慢性オフ状態の自粛生活の中でのそれは、私のメンタルを崩壊させる一方でした。

 

仕上がってきたものを聴く作業はただ聴くだけではありません。

何か気になるところがあったら伝えなければならない作業でもあるんです。

でも、人が一生懸命作ったものに対し何か気になる所があったら言う作業は、とてもデリケートなことでもあります。

とても大変なことです。

じゃあ黙っていたらいいかといったらそうではなく、何か気になるところがあるのに黙っている方が逆に失礼に当たります。

だから、その言葉に間違いが無いように、自分の意見をしっかりまとめて、真摯に伝えなくてはいけません。

せめてもの礼儀です。

つまりそれは、極限の集中力を要するということです。

 

 

慢性オフ状態の生活の中で、予期せぬタイミングで、そんな極限の集中力を求められる仕事のメールが届く。

メンタルは、0からいきなり100にさせられるわけです。

それも心の準備も出来ない突然に。

 

自粛期間の最初の方は、軽いストレスでしかなかったので、自分でオンオフ切り返してなんとか対処できると思っていたのですが、

ここまで自粛生活が長引いてしまうと、自力で何もない中オンにすることはとても難しく、精神は慢性オフ状態になっていきました。

最終的には、メールが届くことが恐怖に変わってしまっていました。

 

 

 

 

だけど、もういい加減届くだろうと、今朝起きて気合いを入れてメールボックスを覗くと、十数分前に届いていました。

 

ゴクリッ。

 

 

でも、そのメールをなかなか開かず一日終わるまで逃げ回るより、何も考えず、無心でメールを開き音源をさっさと聴いてしまった方が絶対楽!

そう思って、ご飯を食べて無心でメールを開きました。

 

心は怯えてるけど、体は淡々とメールを開き、音源をダウンロードし、再生ボタンを押す。

逃げ出したくても、音が流れてくる。

 

 

ん・・・・?????

 

 

チョーーーーーーかっこえぇええええええええええええええええ!!!!!

 

 

安堵感に似たようなもので涙が溢れそうでした。

 

スタッフが気を利かせて音源を送るタイミングを図ってくださっていました。

今日だったのはとても良かった。本当にありがたいお気遣い。

そして、仕上がった音源は予想をはるかに超えてかっこよくて、

あてのない、理由のない、対象物のない、この生活から生まれてきた根拠のない不安や恐怖が無駄でしかない実感に安堵し、ホロホロと涙が溢れてきそうでした。

 

お礼も兼ねて、アレンジャーでありプロデューサーでもある音源の制作者に電話。

人の声を聞きたかったのです。

直接感動を言いたかったんです。

自分のメンタルも人間に戻るんじゃないかなって。

ミュージシャンに戻れるんじゃないかなって。

そうしたら、プロデューサーさんも、何も起きない、何も変わらない、ただ部屋の中で毎日同じことをしているだけだと、

自分の感覚がわからなくなるみたいなことを仰っていました。

 

良いと思っても、相手がいない。こんな生活の中では、自分の手応えすらわからなくなるみたいな。

まるで返事が無い会話と同じだね。

 

やはり、ミュージシャンって一挙手一投足全てが栄養でインスピレーションなんだろうな。

生きてるってことが、心の反応全てが、ひらめきの卵なんだろうなと。人の何気ない行動全てが。

外の空気を吸うだけでも、歩くだけでも、石につまづくだけでも、何かに痛みを感じるだけでも、それら全部が心の栄養で、やっぱり心が動いて初めて音楽が生まれるんだろうなって。

こんな、何も起こらない生活、何も変わらない風景、何もしない中じゃ、見えるものも見えなくなるのかもしれないな。

 

実感がない。今のこの何もない生活。まさにそんな感じです。

 

 

新しいアルバム。少しずつだけど進んでる。

そして数ヶ月後に訪れる、私だけの戦いもヒタヒタと近づいている。

 

 

今は違う戦いをしてるけど、その時も恐ろしい(苦笑)。

 

頑張ります。

 

 

 

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